シャープ、「野球観戦」専用ウォッチの仕掛人 広島カープ愛で開発4年、経営危機も我関せず

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今回は、シャープの野球観戦専用スマートウォッチの開発者に話を聞きました(撮影:梅谷秀司)

「アクオス」ブランドの液晶テレビやスマホ、プラズマクラスター空気清浄機にロボホン――。電機大手・シャープといえば、以上の製品を思い浮かべる人が多いだろう。では、同社が「野球応援グッズ」も展開しているのをご存じだろうか。

野球ファンのために開発されたスマートウォッチ

「ブー、ブー、ブー」。手首に伝わるバイブ音に気づいて腕時計のディスプレイを見ると、「ホームラン4回」の文字が表示された。点差や登板する選手名などを含めた情報が逐一通知され、良い状況か悪い状況かによってバイブの回数も変わる。これで、仕事で大事な試合が見られないときでも、スマホを盗み見ることなく展開がわかる。

さらに、実際に球場やテレビの前で観戦できるときにも使える。応援で腕を振れば振るほど、内蔵されたセンサーがそれを感知してポイントが貯まり、BLE(低消費電力の通信モード)で繋いだスマホを通じて、選手の人気投票に参加できる。試合の展開に合わせて、「点差はある、落ち着いて」「○○選手、ファインプレイ!」といった熱いメッセージも届き、高ぶる気持ちをさらに盛り上げる。

この時計の名前は、「ファンバンド」。ニッチな商品だが、2016年に最初に発売された広島東洋カープモデルは、1000台のテスト販売分が1週間で完売。発売初日には行列もできた。現在は本格的な生産に移り、コラボする球団もベイスターズ、ホークス、タイガースも含めた計4球団に拡大。プロ野球ファンの間で、徐々に知名度を上げている。

次ページきっかけは今から8年前
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