中国内陸部・鄭州市のiPhone（アイフォーン）巨大工場は、周囲から遮断された封鎖下での操業が１か月半と長引いている。感染の不安と処遇への不満で多数の従業員が会社側と衝突する事態になり、政府が目指す「ゼロコロナ」と経済活動を両立させる難しさが浮き彫りになった。

　２４日夜、高速鉄道が発着する鄭州東駅には、荷物をいくつも抱えた元従業員らが押し寄せていた。その一人、四川省出身の男性（２９）は憤る。「こんな恐ろしい環境では働けない。早く安全な実家に帰りたい」

　宿舎で１週間の隔離を終えて２３日から新入社員として働き始めたばかり。突如、市政府が２５日から５日間、多くの地域でロックダウン（都市封鎖）の実施を決め、混乱を恐れた。工場内では同じような動きが急速に広がっている。ロイター通信は２５日、新入社員を中心に２万人以上が離職したと伝えた。

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